マイクロバイオーム
ヒトのマイクロバイオームとは、体のあらゆる表面に生息する複雑な微生物群のことです。マイクロバイオームには、免疫系や代謝をはじめとする人が生きていく上で欠かせない機能の維持や発達をサポートする働きがあります。1
マイクロバイオームは、アマゾンの熱帯雨林に例えることができます。アマゾンの熱帯雨林は、多様な生物が複雑に影響し合いながら機能していますが、熱帯雨林がダメージを受けると、それまで通りに機能できなくなり、外来種が入り込む可能性があります。
マイクロバイオーム内の微生物のバランスが崩れると、再発性クロストリディジオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル感染症、過敏性腸症候群、糖尿病といった数多くの疾患の発症につながる可能性が知られています。2
人々の生活を変える治療薬を提供するというフェリングのコミットメントに基づき、フェリングは、病気や健康状態におけるマイクロバイオームの役割の研究を進めると同時に、マイクロバイオームを回復させることによる様々な疾患の治療の可能性についても研究しています。
革新的な治療法の効率的な開発に向けた専門知識の共有
2018年、フェリングは革新的なバイオテクノロジー企業でありマイクロバイオームの分野における先駆者でもあるリバイオティクス社を買収しました。フェリングはリバイオティクス社とともに、特定の疾患の治療薬の提供を目指して、人々の生活を変えることにつながるマイクロバイオーム製品の研究開発に取り組んでいます。
フェリングが現在着目するマイクロバイオームに関連する研究開発は、下記の通りです。
マイクロバイオーム治療の可能性
消化器 – クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシルは、下痢や大腸炎(大腸の炎症)を引き起こす細菌の1種であり、米国疾病対策センターによって国民の健康への脅威となる疾患に指定されています。3
現在フェリングは、このクロストリディオイデス・デフィシルの再発予防の治療薬としての開発を進めています。
生殖医療 – 腟内微生物のバランスの乱れ(ディスバイオシス)について、早産4やヒトパピローマウイルス(HPV)のリスク5との関連性が指摘されています。また、マイクロバイオームは、不妊治療の診断や治療薬としての可能性があることが知られています6。フェリングは、生殖医療領域の知識と経験を活用し、このような疾患治療へのマイクロバイオームの応用の可能性を検討しています。
参考文献
- Human Microbiome & Gut Microbiota: Rebiotix Inc. www.rebiotix.com/our -therapy/the-human-microbiome. Accessed July 2, 2019.
- Sekirov I., et al. Gut Microbiota in Health and Disease. Physiol Rev. 2010 Jul;90(3):859-904
- Langdon A. et al. The effects of antibiotics on the microbiome throughout development and alternative approaches for therapeutic modulation. Genome Med. 2016;8(1):39
- Fettweis J., et al. The vaginal microbiome and preterm birth. Nat Med. 2019 Jun;25(6):1012-1021
- Norenhag J., et al. The vaginal microbiota, human papillomavirus and cervical dysplasia: a systematic review and network meta-analysis. BJOG. 2019 Jun 25. doi: 10.1111/1471-0528.15854. [Epub ahead of print]
- Koedooder R., et al. The vaginal microbiome as a predictor for outcome of in vitro fertilization with or without intracytoplasmic sperm injection: a prospective study. Hum Reprod. 2019 June; 34(6):1042-1054
JP-CORP-2200005
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