創薬における取り組み
フェリングの創薬・早期臨床開発チームは、創薬のアイデア創出から初期の臨床試験における開発品の効果・安全性の確認まで、当社の重点領域全体の創薬・早期臨床開発プロジェクトを一元的に管理・展開しています。欧州と米国にある2つの主要な研究拠点と共に、革新的な医薬品の創薬に日々取り組んでいます。
当社の創薬事業は、以下の研究方針で進められています:
- 生殖医療・周産期、泌尿器・泌尿器がん、消化器の疾患の治療に重点をおく。
- 低分子と生物製剤の2つのプラットフォームのいずれにも注力する。
- ディスバイオシス(腸内細菌叢のバランスの乱れ)や、宿主とマイクロバイオームの相互作用に着目し、関連する疾患の治療の研究・開発を進める
“サイエンスの最先端を切り開く”という精神は、フェリングで長く培われてきたものであり、当社の創始者であるフレデリック・ポールセン博士とエバ・ポールセン博士は、1950年代の創設当初から、最先端のサイエンスを活用・応用して、患者さんのための革新的な治療法を開発するという考えのもと、医薬品の研究開発を進めてきました。この精神は受け継がれ、現在のフェリングの研究開発における理念となっています。現在もその理念に基づき、今までに蓄積された創薬や医薬品開発における多くの知識とノウハウを活用しながら、新たな医薬品の開発を続けています。また、バイオテクノロジー分野におけるエコシステム(生態系様相互作用)を意識し、世界中の外部機関や学術機関との共同研究を展開しています。フェリングのエクスターナル・イノベーションチームはそれぞれの専門分野の専任科学者からなり、ひとつひとつの案件について十分に協議を繰り返し、評価・判断を行っています。
フェリング研究所(Ferring Research Institute)所長兼グローバル創薬・エクスターナル・イノベーション(Global Drug Discovery & External Innovation)担当シニア・バイスプレジデントのアラズ・ラウーフ(Araz Raoof)からのメッセージ
グローバルな創薬拠点
フェリングの研究開発の主要拠点は、米国のサンディエゴと、デンマークのコペンハーゲンにあります。また、イスラエルのベール・トゥビアにサテライト施設があります。当社は、専門知識と科学、献身と情熱を持って、革新的な医薬品を創薬するというミッションに向けて、相互に協力しながら創薬研究に取り組んでいます。
当社の研究開発拠点では、革新的な医薬品の創薬研究が出来るように、社員に対して最適な研究環境や設備を提供しています。また、最先端の技術プラットフォームを導入し、逐次更新することで、創薬研究の環境を常に最適な状態に整備しています。
コペンハーゲン – インターナショナルファーマセンター
コペンハーゲンは、当社の主要な研究開発拠点の1つです。コペンハーゲンの研究施設では、バイオアナリシス、バイオ製剤の創薬研究、および免疫に関する研究が行われています。また、コペンハーゲンの研究施設は、新規抗体の創薬研究、薬剤ターゲットの研究、および新規薬剤スクリーニングの拠点となっており、さらにフェリングにおける免疫研究の中心施設でもあります。臨床薬理や薬物動態を含む早期臨床開発チームも、コペンハーゲンを拠点に活動しています。
2021年10月から稼働した、コペンハーゲン、エーレスンド海峡を臨む、新たな研究開発拠点。
サンディエゴ – フェリングリサーチインスティチュート
サンディエゴにあるフェリングリサーチインスティチュートは、早期研究開発の中心となる重要な研究施設であり、ここでは新規ターゲットの同定から早期開発段階まで、低分子製剤やペプチド製剤の創薬に取り組んでいます。また、本施設には、AI/機械学習を利用して新規ターゲットを特定する研究者や、化学合成の専門家、生物系の研究者が勤務しています。
サンディエゴのソレントバレー地区にある、研究開発拠点
BTG – 製造および研究開発拠点
イスラエルの研究開発拠点であるバイオテクノロジー・ジェネラル(Bio-Technology General :BTG)は、遺伝子組換え生体分子、微生物、細胞、遺伝子導入動物・植物の作製などのバイオテクノロジー技術に特化した施設であり、バイオテクノロジーを活用した、安全でより良い生物製剤の創薬に注力しています。
イスラエルのベール・トゥビアにある研究開発拠点
創薬・開発過程
患者さんの生活を改善することにつながる革新的な治療薬を見つけるために、フェリングの研究者は創薬研究の第一線で活動しています。疾患を理解し、病態を引き起す分子機序のターゲットを特定することは、創薬でもっとも重要な工程であり、創薬はここから始まります。その後、明確に規定された新薬開発の工程に従い、研究開発が進められます。
研究主導型の創薬科学
創薬の工程は、疾患の理解から始まり、それを標的とする新たな分子の発見と明確に規定された新薬開発工程に基づく開発が必要であり、新薬の製品化までの工程は長く、容易ではありません。
探索分野
人工知能(新たな標的の特定やメタオミクスデータ解析への応用など)
ターゲットバリデーションと遺伝子編集ツール
新規化学物質及び生体物質ライブラリ
トランスレーショナル・マイクロバイオーム・モデル及びツール
フェリングでは、最先端の科学に基づく創薬研究が革新的な医薬品の創出の基盤になると考えており、創薬の成功確率を高めるために、継続的な創薬技術の強化と導入、及び当社の重点領域における科学技術への投資を行っています。例として、マイクロバイオームと宿主の相互作用に関する研究、人工知能、あるいは遺伝子編集ツール導入などへの投資があります。
JP-URONC-2300016
フェリングの研究理念